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リモートワークにチャットボットをおすすめする理由 ―選び方と注意点―

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リモートワークにチャットボットをおすすめする理由 ―選び方と注意点―

米国から始まったといわれるリモートワーク。日本でも、働き方改革や東京オリンピックを機に政府や東京都がリモートワークを推進していましたが、皮肉にも新型コロナウイルス感染拡大がリモートワーク浸透を後押しするかたちとなりました。

経費削減や従業員満足度の向上など、メリットの多いテレワークですが、サイバーセキュリティのリスクや従業員同士のコミュニケーション不足など、デメリットも浮き彫りになりました。

今回は、リモートワークの増加で見えてきた課題と、その解消にチャットボットを活用する方法をご紹介いたします。

1、リモートワークの増加で見えた課題

冒頭でもお伝えしましたが、リモートワークにはメリットもデメリットあります。
メディアなどからこうした情報を得ていた方も、実際にリモートワークを体験してみて初めて実感したことが多いのではないでしょうか。

具体的には、次のような課題が挙げられます。

コミュニケーション不足

リモートワーク導入によってオフィスへ出社しなくなり、対面によるコミュニケーションが減ることで、ちょっとした疑問の解消や雑談、偶発的な会話がしにくくなり、コミュニケーション量は確実に減少します。

コミュニケーションの減少は、同僚同士、上司と部下、チーム間といった従業員同士ばかりの問題ではありません。取引先や顧客への訪問回数も減るため、社外とのコミュニケーションも減少します。

もちろん、電話やメール、Web会議ツールやチャットツールといったICTを活用してコミュニケーションを取ることは可能です。
しかし、対面によるコミュニケーションに比べると、ちょっとした表情や声音、雰囲気などを読み取りづらいため、得られる情報が限定的になります。
また、対面の場合はその場でただ話しかけるだけで済んだところが、リモートワークでは「電話をかける」「Web会議システムをつなぐ」と手間がかかるため、必要最小限のコミュニケーションにとどまりがちです。

勤怠管理・業務管理が難しい

当然ながら、オフィスへ出勤させていた頃と同じような、タイムカードの打刻といった勤怠管理方法はリモートワークでは使えません。
それに代わる勤怠システムを導入する必要がありますが、それでも、従来のように上司が職場で働く姿を直接、目にすることができるわけではないため、Webカメラで部下を見張る上司が現れるなど、非効率的な方法を採用してしまうケースも見られました。

また、業務の進捗状況を把握したり管理したりする面でも、出勤時と同じようにはいきません。その場で、現在、何をしているのかを目で見たり、たびたび声をかけたりして進捗状況を確認することはできないため、新たな管理フローやツールが必要です。

ただ、新たなフローに沿ってまめにツールへ作業報告を入力してくれる人ばかりではありません。報告が遅れがちで、連絡してもつながらなかったり返信が遅かったりするメンバーの管理には、時間も手間も取られます。

リモートワークの先進国である米国でも、実は、コミュニケーション不足や勤怠管理の難しさから、リモートワークの廃止に踏み切った企業が少なくありません。

サイバーセキュリティ対策が煩雑になる

リモートワークを実現するためには、既存の限られたデバイスとネットワークだけを保護していたところから、従業員の私物を含むPC、スマートフォン、タブレットなどの幅広い端末、さらには、会社からリモートワークでの就業場所までのネットワーク、クラウドやWebサービスのネットワークまでがセキュリティの対象となり、一気に広がります。

また、外部からのサイバー攻撃に備えるだけでなく、オフィスから離れて気のゆるんだ従業員のミスや故意による情報漏えいにも気を配らなくてはなりません。
そもそも、リモートワークを実施するために、既存のセキュリティポリシーを変更するところからスタートしなければならなかった企業もあるでしょう。

これらに対応するための、情報システム担当者の体制やセキュリティ対策の予算が伴わないまま、緊急事態宣言に合わせて見切り発車の状態でリモートワークに踏み切ったところも少なくありませんでした。

2、リモートワークにチャットボットをおすすめする理由

本コラムでは、リモートワークが抱えるこれらの課題のうち、コミュニケーション不足の解消をチャットボットで行うことをご提案します。

以下で、具体的な活用方法別に、リモートワークにチャットボットをおすすめする理由をご紹介いたします。

問い合わせ対応窓口としての活用

総務部門や管理部門、情報システム部門といった従業員からの問い合わせ対応の多い部門で、窓口として活用するというもの。
リモートワークでは、こうした問い合わせに対応しようにも、そもそも総務部などの従業員が出社していないため、受電を取ることができません。また、個々の従業員の携帯電話にかかってきた問い合わせに対応するのでは、非効率的です。

チャットボットを従業員からの問い合わせ電話の代替手段として活用すべき主な理由は、次の3点です。

時間の制約がなく、いつでも回答が得られる

従業員が問い合わせに対応する場合、業務時間外に生じた疑問については回答を翌営業日まで待たなくてはなりません。

チャットボットなら、24時間365日、回答を返せるため、問い合わせた従業員の疑問をスピーディに解決できます。

問い合わせ対応に人的リソースをかけずに済む

マニュアルを見ればすぐにわかるような質問でも、従業員が「マニュアルを探すよりも聞いた方が早い」などと判断して、気軽に問い合わせるケースは少なくありません。
こうした問い合わせにいちいち人手で対応していては非効率的です。

チャットボットを活用することで、こうした非効率性を解消できます。
また、何度も同じような質問に回答しなくてはならないといった手間も省くことができます。

マニュアルなどの関連ドキュメントへの誘導が簡単

質問の難易度によっては、チャットボットの回答だけでは解決しないケースもあるでしょう。このような場合、補足情報として関連マニュアルを併せて提示することで問題解決の可能性を高めることができます。

その際、チャットボットに登録しておけば、ドキュメントの所在(掲載URLやフォルダのパスなど)や、掲載ページ数などを効率よく示せます。

パスワード忘れなどシステム系の問い合わせ対応に

前項とも関連するヘルプデスク系の活用法ですが、特にリモートワークでは、パスワード忘れやVPNに接続できないといったシステム系のトラブルが発生しやすいもの。問い合わせるにはPCを立ち上げないと社内ポータルにつなげられず、問い合わせることもできなくて途方に暮れてしまう従業員も少なくありません。

こうした場合に備え、システム系の問い合わせにチャットボットで対応できる仕組みを作りましょう。

チャットボットを従業員からのシステム系の問い合わせ電話の代替手段として活用すべき主な理由は、次の2点です。

PC以外にスマホやタブレットなどでも解決方法が得られる

チャットボットでシステム系の問い合わせに対応すれば、スマートフォンやタブレットなどからチャットボット経由で解決方法を知ることができます。
パスワード忘れや不具合などでPCが立ち上がらない状況でも、問題を解消するための情報を得られるため、利便性が向上します。

チャットボットからパスワードの初期化が可能

導入するチャットボットによっては、チャットボットへの問い合わせからそのままパスワードを初期化することも可能です。これにより、情報システム部門の人的リソースが抑制できるでしょう。

ワークフローの承認に活用

リモートワークでは周囲に同僚がいないため、休憩時間が来たことや就業時間が終了したことに気づきにくい就業形態です。そこで、遅い時間までダラダラと仕事をしてしまう従業員が続出しました。

上司の目がないからと従業員がサボってしまうことが懸念されていたリモートワークですが、蓋を開けてみると長時間労働の方が問題になってしまった…というのは、日本人の真面目な気質から来るものかもしれません。

リモートワークでも残業が発生してしまうのであれば、残業申請が必要です。また、顧客を訪問や出社する必要がある場合に発生する交通費精算や、リモートワークの環境整備に必要な備品の購入申請など、ワークフローの承認は数多く発生します。

ワークフローにもチャットボットを活用できます。
チャットボットをワークフローに活用すべき主な理由は、次の2点です。

決裁者がどこにいても承認を得やすい

既存のグループウェアやチャットツール、さらに決裁システムとチャットボットを連携し、決裁者のスマホなどにポップアップ通知で申請があったことを知らせるように設定しておけば、決裁者がどこにいても申請に気づき、承認できます。

その結果、メールや社内ポータルサイトなどを利用したワークフローよりもスムーズでスピーディな承認が期待できます。

チャットボット経由で申請項目を埋められる仕組みも

人事マスターやその他の各社内システムと連携すれば、申請者がチャットボットと対話するだけで申請に必要な項目を埋められる仕組みも実現可能で、利便性が向上します。

3、リモートワークに向いているチャットボットの選び方

上記のように、チャットボットは、リモートワークにおいてコミュニケーション不足に起因する非効率性をはじめとするさまざまな課題を解消してくれます。

では、リモートワークに活用できるチャットボットには、どういったものがあるでしょうか?
ここでは、リモートワークに向いているチャットボットの選び方をご紹介します。

セキュリティが堅牢なチャットボット

サイバー攻撃が高度化・巧妙化している昨今、リモートワークでもオフィスでの勤務でもチャットボットに限らず、セキュリティ対策は重要です。

チャットボットを選ぶ際も、通信データの暗号化やIPアドレスによるアクセス制限、認証トークンによるAPI連携といった機能を有し、堅牢なセキュリティを実現できるものを選ぶ必要があります。

既存のシステムやツールと連携が取れるチャットボット

チャットボットは、単独でも利用できますが、既存のシステムやツールと連携して保有データを活用することで、利便性はぐっと上がります。

リモートワークの課題解決には、既存のシステムやツールと連携が取れるチャットボットを選びましょう。
特に、外部インターフェースを備えたクラウドサービスや社内システムと接続して、チャットボットから情報を抽出したり処理を実行させたりできるAPI接続が可能なチャットボットが有益です。

サポート体制の整ったチャットボット

チャットボットは、導入後、実際に利用しながら管理側と利用者側の活用状況をチェックして継続的にチューニングしていく必要があります。これを行わないと、導入したものの誰にも活用されず放置されてしまうことになるからです。

ただ、チャットボットの導入が初めての企業様などでは、まだ十分に運用体制が整っていないことも多く、自社のみで改善サイクルを回していくのが難しいことが多いものです。

効果的なチューニングを継続的に行っていくためにも、そこをサポートしてくれる手厚いサービスが用意されたチャットボットベンダーを選ぶと良いでしょう。

4、リモートワークにチャットボットを導入する際の注意点

最後に、リモートワークにチャットボットを導入する際に注意したい点と対策をご紹介します。

リリース直後の回答精度が低いと社内から苦情が出る

リモートワークのコミュニケーション不足による課題を解消するためにチャットボットを導入しても、利用する従業員が求める回答や機能に対し、実際の応答精度が低ければ、従業員から不満が出てしまいます。そして、そのまま改善が行わなければ、チャットボットはいずれ使われなくなってしまうでしょう。

そうした状況を回避するためには、リリース直後の回答の精度を高めるための工夫を講じておく必要があります。
具体的には、あまりチャットボットの対応範囲を広げずに、優先度の高いQ&Aなどに絞って回答を用意しておくことです。その上で、事前に十分なテストと修正を行い準備しておきましょう。
最初からすべての問い合わせに対応できる状態を求めず、利用状況や回答結果を分析しながらチューニングを繰り返しつつ、対応範囲を広げていくのが得策です。

利用率を低下させないための工夫を講じる

ここまでに何度か触れましたが、従業員が求める機能や回答に対して、実際のチャットボットの反応が物足りなければ、不満の声が挙がったり、利用率が低下したりしてきます。
しかし、管理者側で真摯に受け止めて改善していけば、評価もまた変わっていきます。

ただ、時間の経過とともにだんだん利用率が落ちていく可能性もあります。
これを回避するため、サービスのリリース後も定期的に使い勝手についてアンケート調査を行ったり、活用事例を発信したりして、継続的に利用してもらえるような施策を行っていきましょう。

チャットボット導入時の注意点については、ぜひ下記の記事もご覧ください。

5、まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リモートワークを実施する企業が増え、コミュニケーション不足などの具体的な課題が見えてきました。

これらの課題のうち、一部ではありますが、社内FAQやチャットボットの活用で解決することができます。新たにチャットボットを導入する場合は、セキュリティが堅牢で既存のシステムやツールとの連携ができるもの、サポート体制の整ったものを選ぶことをおすすめします。

また、チャットボット導入時は、最初から目的とするすべての範囲をカバーしようとせず、スモールスタートで精度の高さを一番に目指し、従業員からの信頼を勝ち取ることに重点を置きましょう。運用する中で徐々に対応範囲を広げ、利用結果を分析して継続的なチューニングを重ねることで、従業員のリモートワークを支援できるチャットボットへと育てていきましょう。

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執筆者情報:

CTC Benefitter(ベネフィッター) 開発チーム

CTC コミュニケーションデザイン部 CXソリューション第3課

社内業務のDXを推進するサービスとして豊富な機能と様々なシステム・WEBサービスとの連携を可能とした AIチャットボット Benefitter を提供しています。チャットボットの活用方法や導入事例を伝えていくため、情報を発信しています。

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