チャットボットの導入目的とは?主な利用用途ともたらす価値
近年、Webサイトを中心に、さまざまなところでチャットボットが活用されています。
Web接客やヘルプデスク、プロモーションなど、チャットボットにはさまざまな役割を持たせることができます。
実際に、導入を検討されている企業様も多いでしょう。
しかし、導入前に解消したい課題や目的を明確にしておかなければ、正しい効果測定や、PCDAサイクルを回しながらの改善を行うことができません。
そこで本コラムでは、チャットボットの主な用途や、チャットボットがもたらす価値についてご紹介いたします。
1、チャットボットが注目されている理由とは?
日本においてチャットボットが注目されている背景には、働き方改革やDXの推進があります。
業務効率化が求められる働き方改革では、低コストで24時間365日、対応可能なチャットボットのメリットに期待が集まっています。電話で対応していた問い合わせをチャットボットに任せることで、リモートワークを導入しやすくなります。
また、チャットボットに業務を任せた分、人は人にしかできない企画業務などの創造的な業務や、コア業務などのより重要な業務に注力できるようになります。
チャットボットには、オペレーターへ問い合わせるのに比べて心理的なハードルが低く、ユーザーが気軽に利用できるメリットもあります。Webサイト上のフォームから問い合わせるのとは違い、個人情報を入力せずに利用できる点も長所です。
ユーザーばかりではなく、チャットボットの導入企業にとっても、ユーザーの検討段階を進められたり、データを収集できたりというメリットがあります。
チャットボットの活用によって得られるこうしたメリットは、DXにも貢献します。
2、チャットボットの主な利用用途
次に、チャットボットの主な用途をご紹介いたします。
社内ヘルプデスク
まずは、社内ヘルプデスクです。社内ヘルプデスクとは、自社や協力会社の従業員などからの問い合わせへの対応を行うことです。
社内ヘルプデスクを専門で設置している企業は稀で、多くの場合は、情報システム部門や総務部門、人事部門などが本業の傍ら問い合わせに対応しています。社内ヘルプデスクをチャットボットに任せることで、より重要な業務に労力を使ったり残業時間を削減したりすることができます。
ヘルプデスクについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。
カスタマーサポート
顧客向けに問い合わせ対応や情報提供を行うカスタマーサポートにも、チャットボットを活用できます。
ユーザーにとっては、曜日や時間をきにせずに利用でき、いつでも欲しい情報を得られる点がメリットです。
導入企業にとっては、人件費を削減しながら、顧客満足度を高められる点がメリットです。
さらに、チャットボットに寄せられた問い合わせ内容をデータとして蓄積し、分析することで、新商品の企画や既存商品の改善、サービス改善などにつなげられます。
マーケティング活動
まだ商品やサービスを購入していない見込客に対して、チャットボットで情報提供を行うことが可能です。
Webサイトなどに設置してユーザーからの質問に回答することで、検討段階を一歩、進めてもらえます。さらに、そのままチャットボットから購入してもらうような導線設計も可能です。
また、LINEなどのチャットツールと連携し、オリジナルキャラクターとの会話ができるコンテンツを提供すれば、ブランディングの向上にもつながります。
アンケートを実施して、ターゲット層のインサイトを探ったりニーズを拾い上げたりすることもできます。
このように、チャットボットはマーケティング活動にも利用できます。
3、チャットボット導入で得られるベネフィット
ここまでにでもチャットボットのメリットについて触れてきましたが、ここで改めてチャットボット導入で得られるベネフィットを、まとめてご紹介いたします。
業務効率化・人件費削減
チャットボットの導入で、業務効率化と人件費削減が可能です。
人が対応していたヘルプデスクやカスタマーサポートなどを、チャットボットに任せることで、人の手が空き、その分、もっと重要な業務に時間と手間をかけられるようになります。
もし、問い合わせ対応のために残業が発生していた場合は、残業代の削減にもつながります。
また、顧客や従業員が増えて問い合わせ数が増えても、その対応のために新たに人を採用する必要がなくなります。その点でも人件費の抑制が可能です。
顧客満足度向上
チャットボットを導入すれば、問い合わせを行うユーザーが、24時間365日、いつでも問い合わせられるようになり、顧客満足度の向上も実現できます。
問い合わせに対する回答も瞬時に表示され、オペレーターと比べても早いため、顧客を待たせずに済み、その点でも顧客に不満を持たれにくいといえます。
ただ、チャットボットでは回答が難しい複雑な問い合わせなどにも対応できるよう、有人への切り替えも用意しておくと良いでしょう。
顧客接点の増加
顧客からの問い合わせ窓口として、Webサイト上の問い合わせフォームや電話など、既存の接点を残しながら新たにチャットボットを追加することで、顧客接点を増やすことができます。
顧客接点が多いということは、顧客にとって連絡のために使える選択肢が増えるということ。特に、チャットついールと親和性の高い若い世代が利用しやすく、多忙な働き盛りの世代は外出先などからも問い合わせが行えるようになり、利便性が向上するでしょう。
情報・ナレッジの共有
チャットボットを社内向けに使えば、情報・ナレッジの共有に活用することができます。
ファイルや社内Wikiといった方法でもナレッジ共有が行えますが、ナレッジの検索性や投稿のしやすさといった点を考えると、チャットボットに軍配が上がります。
ナレッジを活用することで、属人化の防止や人材育成の効率化などの効果が期待できます。
情報・データの収集
チャットボットを運用すればするほど、ユーザーのニーズなどを分析できるデータが蓄積されます。このデータに基づいて、新商品・サービスの企画や既存商品・サービスの改善などを実施することが可能です。
蓄積したデータは、チャットボットの改善にも活用できます。チャットボットは導入がゴールではありません。PCDAを回してよりユーザーの利便性向上につながるよう、改善していきましょう。
4、チャットボット導入時に検討すべきポイント
最後に、チャットボットを導入する際に検討しておきたい4つのポイントをご紹介いたします。
解決したい課題を明確にする
まずは、導入の目的をはっきりさせておくことが大切です。
自社が抱える課題を明確にし、その中でチャットボットで解決できるものをピックアップして、さらに優先順位をつけておくことで、導入後の効果測定につなげられます。
課題に対して解決できるチャットボットを選ぶ
上で明確にした課題を解決できる機能を持つチャットボットを選びましょう。
複数の課題がある場合は、先に決めておいた優先順位に沿って、上位のものから解決できるチャットボットを選定します。
もし、解決可能なチャットボットが複数あった場合は、次項以降の条件を比べてみましょう。
導入・運用サポートが充実しているか
特にチャットボットの導入が初めての場合は、導入・運用サポートが充実しているチャットボットを選ぶことが大切です。
用意されているサポートの手段が、訪問なのか電話なのか、それともチャットだけなのか、また、対応時間はいつなのかをチェックして、自社が求めるサポートかどうかを判定してください。
海外製のチャットボットの場合は、サポートが日本語対応しているかどうかも確認しておきましょう。
費用対効果が合うか
費用対効果が見合うチャットボットを選ぶことも重要です。
予算内で収まるものを選ぶことはもちろん大切ですが、安く導入できても得られる効果が低ければ、結局は投下した予算の多くは無駄だったということになります。
「解決したい課題を明確にする」で明らかにした課題を解決できたり、収益に結び付いたりすることで、どのくらいの効果が見込めるかを試算し、かかる費用と照らし合わせて、費用対効果が合うかをチェックしましょう。
5、まとめ
チャットボットの主な用途には、社内ヘルプデスクやカスタマーサポート、マーケティングなどがあり、これらに活用することで、業務効率化や見込客の獲得、購入などが期待できます。社内向けに活用すれば、ナレッジの共有なども可能です。
こうした効果を上手く得るためには、チャットボットの選定の仕方が重要になってきます。解決したい課題を明確にし、それらを解決できるチャットボットを選ぶとともに、導入・運用サポートや費用対効果もチェックしましょう。
執筆者情報:
CTC Benefitter(ベネフィッター) 開発チーム
CTC コミュニケーションデザイン部 CXソリューション第3課
社内業務のDXを推進するサービスとして豊富な機能と様々なシステム・WEBサービスとの連携を可能とした AIチャットボット Benefitter を提供しています。チャットボットの活用方法や導入事例を伝えていくため、情報を発信しています。