答えが見つかる効果的な問合せ応答チャットボットの作り方
1、答えが見つかる効果的な問合せ応答チャットボットの作り方
問合せ応答チャットボットは、チャット形式でユーザーが質問を入力すると、自動的に応答してくれる便利なツールです。
休日・夜間を含め、24時間365日いつでもスタッフに代わって応答してくれますので、人手不足を解消できるだけではなくお客様満足度の向上にも貢献できることから、最近では企業のホームページ上で目にする機会が増えてきました。
ただ、ひとまとめに「問合せ応答チャットボット」といっても、回答への導き方に違いがあることにお気づきでしょうか?今回は、そんな問合せ応答チャットボットの違いと、それぞれのメリットやデメリットを知ることで、しっかりと答えにたどり着くことができる問合せ対応チャットボットについてご紹介したいと思います。
シナリオ型
シナリオ型とは、チャットボット側からいくつかの選択肢を提供して、ユーザーはその選択肢から会話を進めていき、最終的に1つの回答に導く形式のことを指します。
【メリット】
- 利用者は文字を入力することがないため、入力が煩わしい環境や入力が苦手な人にとって操作が簡単
- 選択により会話を進めることで、条件を絞り込むことができるため正確に回答にたどり着く
【デメリット】
- 条件の分岐が多いと、回答までの操作が増える
- 回答表示するまでのシナリオ設計が必要になり、FAQ(質問・回答のセット)以外の情報の準備が必要
一問一答型
一問一答型とは、ユーザーがフリーワードで質問文を入力すると、チャットボットが入力内容を解釈し、回答あるいは回答の候補を返信するような形式のことを指します。入力内容を解釈するためにAIを利用するケースが殆どです。
【メリット】
- 回答表示するまでのユーザー操作が少ない
- どの質問に対しても共通的なシナリオで対応できる(シナリオ設計が不要)
【デメリット】
- 言い回しの違いなど、質問文の入力情報によっては全く異なる回答を返すことがある
- 似たようなFAQがある場合、ユーザーが求める回答の判断が難しい
2、どちらを採用すべき?
社内の問合せ応答にチャットボットを導入する場合を想定し、「パスワードを忘れました」という質問を例に回答への導き方を考えてみましょう。
パスワードが1種類しかない場合
問合せ応答で回答するパスワードが1種類しかない場合は、一問一答型を利用することでより少ない操作で回答に導くことができます。
パスワードが複数種類ある場合
Aシステムのパスワードなのか、Bシステムのパスワードなのかによって、回答内容が異なるような場合、一問一答型で回答候補を2件表示させるのもよいかもしれません。ですが、さらに多くのパスワードの種類があったり、複合的な条件によって回答パターンが分かれるような場合には、「どちらのシステムのパスワードでしょうか?」と、聞き返しを行うことで、正確に回答に導くことが可能になります。
また、人によっては「Aシステムのパスワードを忘れました」と入力する方もいるでしょう。その場合は、一問一答型で回答を表示する方が効率的であると言えます。一問一答型とシナリオ型を組み合わせることで、その時々の入力内容に応じた回答までの導き方を変えられると、ユーザーにとってもストレスなく問題(課題)の解決ができるのではないでしょうか。
また、特定のFAQに関する問合せ頻度が高い場合には、最初から選択肢を固定表示させておくことで、ユーザーに入力させることなく、1クリックで回答に導くことも可能です。文字入力が苦手な方にとってはとても効果的です。
このように、シナリオ型、一問一答型のどちらがよい、ということではなく、FAQの量や情報の複雑さ、あるいは利用される方の特徴などによって、使い分けることが重要です。また、どちらか一方を選択する必要はなく、シナリオ型、一問一答型を組み合わせて利用するのも効果的です。
運用していく中で適宜シナリオを変化させることができれば、よりユーザーの答えが見つかるチャットボットになることでしょう。
執筆者情報:
CTC Benefitter(ベネフィッター) 開発チーム
CTC コミュニケーションデザイン部 CXソリューション第3課
社内業務のDXを推進するサービスとして豊富な機能と様々なシステム・WEBサービスとの連携を可能とした AIチャットボット Benefitter を提供しています。チャットボットの活用方法や導入事例を伝えていくため、情報を発信しています。