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チャットボットのマーケティング活用、7つの利用シーン

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チャットボットのマーケティング活用、7つの利用シーン

皆さんは、チャットボットがマーケティング活動に役立つことをご存じですか?
チャットボットを、SNSチャットの自社アカウントや自社Webサイトに設置することにより、マーケティングや営業活動の効率化に役立てることができます。

下記の図1はチャットボット・ソリューション「Benefitter」をチャットボット・プラットフォームとした場合に、顧客の状態とライフタイムバリュー(LTV)および社内業務とユースケースをマッピングしたものです。

ボット利活用シーン

図1.ボット利活用シーン

特に、今回のテーマであるマーケティングでのボット活用として7つの利用シーンを吹き出しでピックアップしました。

今回は、チャットボットのマーケティング活用、7つの利用シーンをご紹介します。

1、集客用の「つぶやき」

不特定多数のユーザーを自社サイトに誘導するためのメディアとして利用します。メディアとしてはTwitterが代表例です。

現在主流のチャットボット・ソリューションは2016年ごろから急速に発展してきましたが、Twitterアカウントへのボット設置はそれ以前からも活用されていました。Twitterでつぶやくだけで集客できる時代は既に終わっていますが、若者層を中心に利用率もいまだに高く、不特定多数へリーチできる可能性が高いこと、フォローという「緩いつながり」を維持できること、情報が拡散された時の効果が絶大なこと、ボット設置に欠かせないAPIが利用しやすいこと、などが利点です。

Twitterで良情報を提供できていれば、リツイートによる拡散や検索による新規ユーザー獲得効果が期待できます。もちろん、最初からインフルエンサーと呼ばれる大量のフォロワーをもつユーザーを利用して情報を拡散することもできますし(インフルエンサー・マーケティング)、Twitter社の広告を利用することもできます。

ただ、それらにはもちろん対価が必要となるため、広告費を抑えてオーガニックでフォロワーを増やして情報を拡散させるには地道なツイートの積み重ねが有効です。しかし、それらの作業を全て人間が行うと労力がかかります。

Twitterでのボット利用で最も簡単かつ人気があるのは自動ツイートです。あらかじめ準備したコンテンツを自動的に配信することにより人間の担当者の負荷を軽減します。ツイートする内容にバリエーションを持たせるために、メッセージを自動生成する仕組みと組み合わせたり、天気予報や時事情報などをAPIで提供しているサービスと組み合わせたりすることも、ボットの利点を活かした使い方になります。

また、ユーザーをフォローバックしたりダイレクトメッセージに反応させたりすることもできますので、チャットボットとしてのインタラクティブな情報提供が可能になります。

チャットボット単体での不特定多数ユーザーの集客は他の活用方法に比べるとそれほど大きな効果はありませんが、上記の機能を使いこなして人間の担当者の作業量を減らすことによって、マーケティング活動全体の効率化は期待できます。

集客用のボットの効果は短期的にはマーケティング担当者の負荷軽減であり、ツイートが累積されることによりロングテールでのユーザー獲得に貢献します。

2、情報提供

ユーザーからの情報提供依頼について、チャットボットに自動応答させることができます。24時間365日休みなく商材について情報照会できるツールとして公開します。Webサイト(ランディングページ)だけでは一方的な情報提供になりがちですが、ユーザーがWebサイト内を探し回ることなくダイレクトに問い合わせができることにより離脱防止効果が期待できます。

チャットボットを使ってユーザーが必要な情報を必要なタイミングで問い合わせできる仕組みは、メールやWebマーケティングを補完できますし、簡単な問い合わせレベルでの受電を減らす効果も期待できます。キャンペーン広告からランディングページに誘導されたユーザーが使えるようにサイト内にブラウザ用チャットボットを設置すると利便性も高くなります。

LINEや+(プラス)メッセージのようなメッセンジャー・ツールを使って商材情報を送っているのなら、チャットツール内からそのままボットへ質問させるようにすると離脱防止に役立ちます。

情報提供でのチャットボットの利用は、情報収集状態にあるユーザーのニーズに応えて自社商材へのエンゲージを増加させるとともに、問い合わせ対応業務の効率化に役立ちます。

3、情報収集

ユーザーに最適な情報をプッシュするには、ユーザー情報の収集が欠かせません。リアル店舗での従業員が顧客の情報を上手に活用してリピーターを増やすように、チャットボットを利用すると円滑にユーザーの情報を収集できます。

チャットボットを使った情報提供が可能になっている状態であれば、ユーザーが何の情報をいつ問い合わせたか、また情報絞り込みのためにどのような選択肢を選んだか、などの履歴が蓄積できます。

また、キャンペーンや商材情報をプッシュした時には、どの情報を閲覧したのかもわかります。これらの情報を累積していくことにより、ユーザーの嗜好や状態の変化(商材への興味が高まっているかどうか)を類推することができるようになります。

また、チャットボットを使って、直接アンケートを実施することも有効です。数問程度の簡単なアンケート(パルスサーベイ)でダイレクトにユーザー情報を収集することにより、より鮮度が高い情報を入手して活用できるようになります。

入手したユーザー情報はチャットボットのパーソナル通知や会話シナリオの効果的な分岐に役立てることができ、ボットを使ったマーケティング全ての基礎情報として重要なデータとなります。

なお、チャットボットに蓄積された情報をボットの会話や広告通知に反映する件は、あらかじめボットの利用規約に記載して、ユーザーの確認を得るようにしましょう。

4、興味に合わせた配信

ダイレクトメールの開封率が低いようにチャットツール(SNSメッセンジャー)を使った通知も必ずしもエンゲージが高いわけではありません。また興味のない通知が連続するようだと「ブロック」されてしまうことも多く、そうなるとそのユーザーにコンタクトする術を失うことになります。

そこで、前回の記事「(3)情報収集」を活用して、ユーザーを徹底的にパーソナライズした対応を心がけることが重要になります。

飲食店において「2度目の来訪になるお客様を覚えておいて対応する」ことがリピーター獲得のために重要なアクションとなりますが、チャットボットを利用すれば、同様に一人一人のユーザー行動を記憶してきめの細かい対応ができるようになります。

各ユーザーの会話ログの集積と商品やサービスやキャンペーンのターゲットをマッチングして、相関の高いユーザーにだけ該当の話題を通知したり会話に誘導しましょう。

図1はあるサービスと相関の高いユーザーを絞り込んでボットからキャンペーンを配信した例です。

絞り込んだボット配信によるエンゲージ率

図1.絞り込んだボット配信によるエンゲージ率

この例では最後にランディングページに29%を送客できていますが、これはボット会話のライティングによるところも大きく、必ずしもチャットボットのパーソナライズだけの効果ではありません。どちらかといえば最初のエンゲージ(会話継続)が約47%となっているところ、またブロックが0件だったところにチャットボットでの絞り込み配信の効果が良く表れています。

確率論的に言えば、図1の例でエンゲージしたユーザーは、より荒い条件でセグメントされた集合にも存在していたはずなので、エンゲージの実数としては荒いセグメントでの配信時と効果は変わらなかったかもしれません。

しかし、その場合はマッチしない広告を受信する他のユーザーも多かったことになり、ブロックユーザーを増加させていたかもしれません。広告費をかけてアカウントに集客しているような場合はブロックユーザーはそのまま損失となってしまうので避けられるなら避けたいところです。

徹底的なパーソナライズのためには「(3)情報収集」でのユーザー情報の計画的かつ継続的に蓄積も重要なので、導入時には併せて検討しておくことが重要です。

5、予約・購買にコンバートするためのレコメンド

ユーザー情報からボットの会話シナリオを分岐させてクロスセルやアップセルを試みたり、キャンペーンやクーポンの利用を示唆することができます。ECのWebサイトやアプリケーションでは既に実装されている機能ですが、チャットボットではインタラクティブな応答が可能なので、より高度な接客を試みることができます。

商品・サービス、キャンペーンに関する問合せに自動応答させたり、蓄積したユーザー嗜好やリアルタイムに表示する選択肢で会話を継続して適切なレコメンドへ導くこともできます。

また、ユーザーの問い合わせ・閲覧状況をモニターしたチャットボットに、人間のオペレーターへの接客を奨めさせることもできます。ユーザーインターフェイスはチャットのままなのでユーザー側にも違和感がありません。

最終的に商品を購入させる力はやはりまだ人間の方が高いため、購買意欲の高まりをユーザー行動ログからスコア化して優先的にオペレーターへエスカレーションできれば、商品販売機会は高まります。チャットボットにはユーザーの商品・サービスのブラウジングの自動ナビゲーションを担当させ、購買確度が高まった段階で人間に引き継ぐ、という役割分担は有効です。

6、サポート

チャットボットが最も活用されているのがユーザーサポートの領域です。チャットボットをサポートに適用する効果は、主に下記の点にあります。

  • 通話中で問い合わせを諦めるユーザーの救済
  • 24時間365日自動応答
  • 「よくある質問と回答」からのオペレーターの解放

既にWebサイト上にFAQを掲示している場合やサイト内検索を設置してある場合は、サポート用にチャットボットを設置しても最初の利用率は10%にも達しないことがあります。しかし、ボットを活用する方が便利なことをユーザーが体感していくことにより徐々に利用率が上がっていき、上記の効果による業務効率化やユーザー満足向上が実現できます。

また、サポートは商品・サービス販売のきっかけにもなります。ユーザーの質問ログと購買履歴などから、当該ユーザーの状況やニーズを分析して関連商品のレコメンドを行うことができます。ユーザーサポート用のチャットボットとマーケティング用のチャットボットは別のカテゴリのサービスの様に考えられがちですが、実際には同一のプラットフォーム上にそれぞれのボットを構築してユーザー情報を共有した方が相乗効果を期待できます。

7、リテンション

ユーザーが一定期間以上サイトにアクセスしてこなくなった場合、再利用を促す通知を行う必要がありますが、この場合も「(4)興味に合わせた配信」同様、個人別のきめ細かいマッチングと配信戦略が必要です。

また、かつての興味への関心が薄れたからこそサービス利用に飽きてしまっている可能性もあるため、過去の情報だけでは有効な刺激にならない可能性があります。

そこで「(2)情報提供」のノウハウも活用し、ネットや自サイトのトレンドなど新しい情報も提供するとともに、「(3)情報収集」の機能も使ってインセンティブ付きのアンケートなどで現在の興味を確認することも重要です。ユーザーの呼び戻しに関しては、紹介してきた(1)~(6)までの全てのノウハウを活用する必要があります。

8、まとめ

今回の記事で紹介してきた各活動について、全ユーザーに人手だけで対応することは現実的ではありません。このジャンルではパーソナライズと自動条件処理に長けたマーケティング・オートメーションの利用も盛んですが、さらにチャットボットの利活用をプラスすることにより、ネットマーケティングの効果を増幅させることが可能です。

この機会に、積極的にチャットボットを活用し、マーケティング活動を推進していきましょう。

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執筆者情報:

CTC Benefitter(ベネフィッター) 開発チーム

CTC コミュニケーションデザイン部 CXソリューション第3課

社内業務のDXを推進するサービスとして豊富な機能と様々なシステム・WEBサービスとの連携を可能とした AIチャットボット Benefitter を提供しています。チャットボットの活用方法や導入事例を伝えていくため、情報を発信しています。

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