経済産業省が「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を発表してDXの必然性を訴えたのが2018年9月のこと。それから3年近くが経ち、日本全体にDXの気運が高まってきています。
すでにDXに取り組んでいるところも多い中、どこから着手して良いか悩んでいるという企業様もいらっしゃるでしょう。実はチャットボットを使って自社の業務改善が行えるということをご存知でしょうか?
本コラムでは、チャットボットで解決できる具体的な業務改善例を6点ご紹介いたします。
目次
最初に、チャットボットの概要を簡単にまとめておきます。
チャットボットとは、文字情報や音声で人と対話することを目的として作られたプログラムで、チャットボット内でユーザーが知りたい情報を提供することで、ユーザーの疑問や問題を解決することが可能です。
チャットボットには、AIが搭載されたものと、そうでないものがあります。前者はユーザーの発言と登録された質問の間に揺らぎがあってもユーザーの質問の意味を推測でき、適切な回答を返します。一方、後者は、「人工無能」ともよばれ、登録された質問にマッチした場合のみ回答を返し、シナリオに沿ったフローチャート構造の回答設定が可能です。
国内外の企業がDXに取り組んでいたり、経済産業省がDXを推進したりと、すでに日本でもDXの気運が高まっていますが、DXが必要な理由とは何でしょうか?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、最新のデジタル技術を活用して、経営戦略や業務フロー、プロダクト、顧客体験などを変革させていくことをいいます。英語では「Digital Transformation」と書き、日本語では「デジタル変革」と訳されます。
2004年当時、スウェーデンのウメオ大学のエリックストルターマン教授が、世界で初めてDXの概念を示したといわれています。
このDXを経済産業省は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義づけています。
また、平成30年には経済産業省が「DX推進ガイド」を作成し、日本企業全体のDX化を推進させる動きもあります。このDX推進ガイドでは、①DX推進のための経営のあり方、仕組みから②DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築など、具体的なDX推進のための内容が記載されています。
DXが求められる大きな理由として、「2025年の崖」を回避することと、デジタルディスラプションが起きている既存市場の中で競争力を強化するためという2点が挙げられます。
冒頭で触れた経済産業省の「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の中で、DXを推進しない場合の影響として「2025年の崖」が起こる点が危惧されています。
2025年の崖とは、導入から長期間が経過して老朽化、ブラックボックス化した基幹系システムの保守にコストがかかることを中心に、SAP ERPの保守サポートの終了、固定電話網PSTNの終了、IT人材不足の拡大など、2025年付近に重なる問題のため、DXを実現できなかった場合、2025年以降、毎年最大で12兆円の経済損失が生じる恐れがあることです。
これを回避するためにDXが必要だとして、経済産業省はDXを推進しています。
日本でDXの必要性が叫ばれる以前から、海外では最新のデジタル技術を活用した新たな商品・サービスを掲げたスタートアップ企業や、それに対抗すべくDXに取り組む企業が現れていました。これにより、既存の市場は破壊され、既存商材の価値も相対的に変化(多くの場合は下落)する「デジタルディスラプション」が起きています。
デジタルディスラプションは、今後、どの業界でも起こり得ますし、DXが推進されることでさらに加速していくでしょう。
こうした時代に、DXに取り組まなければ競争力は落ち、市場から締め出されてしまう恐れすらあります。
デジタルディスラプションが起こる中、競争力を維持・強化するためにDXが必要です。
チャットボットの主なユーザーは「顧客(社外)」と「従業員(社内)」に大別でき、本コラムでご提案するは、社内の業務フローを対象としたDXです。
チャットボットを活用して実現できる社内の業務改善には、「情報収集・探索支援」系の活用法として「社内や代理店へのFAQ自動回答」「社内情報収集・提供」が、「業務支援・パーソナルアシスタント」系の活用法として「各種手続き・決裁連携」「会議室・設備予約」「セルフチェック・学習」「自動処理(RPA)」などがあります。
【情報収集・探索支援】
【業務支援・パーソナルアシスタント】
上記用途を具体的に細分化した中から、特にポピュラーな活用方法を5つピックアップし、それぞれ、以下で詳しくご紹介します。
会議の予定を調整したり、業務ルールを他部門へ確認したり、各種文書を照会したり、ネット情報を収集したり、社内システムと連携した業務処理などを「社内業務パーソナルアシスタント」としてチャットボットで実現します。
これらの業務を人手からチャットボットへ移管させることで、働き方改革を促進します。
社内業務パーソナルアシスタントとしてチャットボットを活用することで、次のような悩みを解決できます。
チャットボットを社内業務パーソナルアシスタントとして活用することで、以下のようなことを実現できます。
チャットボットを活用した社内業務パーソナルアシスタントについて、詳しくは以下のページをご覧ください。
活用事例 社内業務パーソナルアシスタント
リモートワーク中にパスワードトラブルがあると、復旧のためにセルフ解決が求められることがほとんどです。
そんな時に、チャットボットを活用すれば、パスワード復旧をはじめとするさまざまなトラブルを解決できます。
チャットボットを活用することで、パスワード初期化など、リモートワーク中のトラブルのセルフ解決につながります。
チャットボットを活用すれば、上記のようなお悩みを解決し、以下のような内容を実現できます。
チャットボットを活用したパスワード初期化ボット/リモートワーク支援について、詳しくは以下のページをご覧ください。
活用事例 パスワード初期化ボット
メールやWebフォームを介した申請フローでは、急ぎの場合に間に合わないことも多いものです。しかし、その度にイレギュラーな対応を行っていては、企業ガバナンス的にも問題です。
チャットボットの活用により、迅速な決裁やリマインドなど、円滑なワークフローを実現します。
残業申請/ワークフローにチャットボットを活用することで、以下のような悩みを解決できます。
グループウェアやチャットツール(Teams、Slack、Google Chat等)と接続したチャットボットを決裁システムと連携させれば、従来のメール申請と比較してスピーディーなワークフローを実現可能です。スマートフォンでの利便性も向上し、時間と場所に制約されない、円滑な業務処理が可能になります。
チャットボットを活用した残業申請/ワークフロー支援について、詳しくは以下のページをご覧ください。
USE CASE 残業申請~承認のスピードアップ
HR(Human Resources)の一環として、社内にいる有識者や担当者の情報を、継続的かつ鮮度良く維持することは、多くの企業にとって難題でした。
そこで、チャットボットとAIを組み合わせることにより、社内の「人探し」活動を定着化することをおすすめします。
社内の人材探しに関する以下のようなお悩みをチャットボットが解決します。
チャットボットとAIを組み合わせることで、難易度の高かった従業員とスキルの相関関係管理を実現できます。
チャットボットの用途として、顧客向けにもよく使われている「FAQ自動応答(問い合わせ自動応答)」ですが、社内向けに活用することで、業務改善につながります。
チャットボットを従業員からの質問・問い合わせへの自動応答用に活用すれば、人手による対応で生じていた以下のようなお悩みを解決できます。
チャットボットによるFAQ自動応答(問い合わせ自動応答)により、以下のようなことを実現できます。
Webサイトなどでよく見られるチャットボットは顧客向けに作られたものですが、従業員や代理店など、社内向けにチャットボットを活用することで、さまざまな業務改善が行えます。
業務において、上で紹介したようなお悩みをお持ちの企業様は、DXの入り口としてチャットボットによる業務改善から取り組んでみてはいかがでしょうか?
「Benefitter」なら、スモールスタートで導入してから、拡大してさまざまなAIチャトボットを作ることできます。
ノンプログラミングで開発できるため、現場での作成が可能です。
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