私は、大手通信キャリアの営業を10年担当しておりました。11年目に差し掛かろうとしていたところ、ひょんなことからチャットボットの製品営業を担当することになりました。(左遷ではありません、ジョブローテーションです。本当です。笑)
就任早々、コロナの影響で企業の予算は凍結したり、打合せもWeb会議になったりと、営業らしい営業が出来ない状況です。えらい時に異動になってしまったなと思ってはいましたが、その分以前よりも色々と考える時間が増えたという良い点もありました。
因みに、チャットボットに関しては、2か月前まで企業のHPなどで見たことあるな。ぐらいの知識しかありませんでした。
そんな状況ではありますが、日々チャットボットの売り方について考えています。
チャットボットの導入効果を提案の段階から定量的に提示することはとても難しいです。多くの企業はまず実証実験をやってみて、その効果を見てから導入するということが多いかと思います。定性的に表現すると以下のような効果は容易に考えられます。
営業という職種柄からか顧客満足度という言葉には非常に敏感です。
企業のHPによくある、チャットボットを介した問い合わせ、資料請求などでは、従来のやり方(企業のHPで必要情報を入力し、後日メールにて担当者から連絡をもらい、何回かやり取りを重ねてようやく必要な情報を入手)に比べ時間短縮に繋がるとは思います。
しかし、これだけでは顧客満足度が上がるとまでは言えないのではないかと思います。
ユーザーとのチャットのやり取りから追加提案をしたり、スケジュールがタイトであればすぐに打ち合わせをアレンジしたり、二度目の問い合わせであれば挨拶の内容を変化させたり、前回の問い合わせについて追加情報が必要ないかを尋ねたり等々あたかも営業担当がやり取りしているかのような人間味のあるやり取りが出来て初めて顧客満足度が向上するのではないかと思います。
以前の記事に次世代チャットボット「Meena」が紹介されており、将来的に温かい、人間味のある会話ができるようになりそうですが、これが実現してしまうと大きな問題もあります。
そう、営業なんて要らなくなるのでは?私の仕事がなくなるのではないかという問題です。
チャットボットを世に普及させ、製品の追加開発を進めることは自分の将来の仕事を減らすことに繋がってしまいます。退職金の前払いをもらっているような感覚です。
当然、営業稼働が減った分、別の仕事(よく言われるクリエイティブな仕事)に時間を割くということになると思いますが、今の自分にはその仕事がなんの仕事なのかイメージがつきません。
まぁ、その時が来たら何をすれば食べていけるのかチャットボットに聞いてみたいと思います。
Kei Yahagi
大手通信キャリア向けの営業を10年担当した後、チャットボットの製品主幹営業を担当。好きな言葉は「冷静と情熱のあいだ」マイケルジョーダンをこよなく愛する節度のあるビジネスパーソン。