チャットボットが組織に与える副次的な導入効果

2020年8月4日

チャットボットが組織に与える副次的な導入効果

社内問合せの自動応答にチャットボットを活用する場合、導入効果として回答担当者の負荷軽減や棄呼率(応答率)の改善などの定量的に計測しやすい指標を用います。また、ユーザーや回答担当者の本業での機会損失防止などのリスク回避も導入効果として見込めますし、さらに運用組織に与えるポジティブな定性効果も存在します。

業務経験・知識の属人化を避ける

チャットボットに精度の高い回答をさせるには、元になる質問と回答のセットの内容吟味や用語の整理、ユーザーが回答にたどり着くための会話の流れ(トークスクリプト)の整理が重要となります。初期導入におけるこれらの整理の負担を下げるために機械学習を活用するAIチャットボット・ソリューションもありますが、効果的に学習させるためには多くの会話データやエキスパートによるチューニングが必要です。満足のいく導入効果をボットから獲得するまでの育成時間やコストを許容できる会社でないと扱いにくいかもしれません。

チャットボットの導入効果を早期に享受するには、回答担当者がどのような対話をユーザーと行って問題解決まで導いているか、またよくある質問と回答に関する言い回しや語彙にどのようなものがあるかを事前に整理して、ルール型(シナリオ型)のチャットボットに投入する方が効果的です。(機械学習型は後からまたは並行して導入することも効果的なので、チャットボット・ソリューションを選定するときは両方に対応できるものを選ぶことをお奨めします)。

 

このようなチャットボットによくある質問と回答を投入したりトークスクリプトを「会話シナリオ」として設定したりすると、結果的にそれらを作成する担当者が持っていた業務ノウハウをデジタル化して組織で共有できるようになります。また、作成したチャットボットはエンドユーザーに提供するのみならず、サポート担当組織の新人担当者が利用することも可能です。このような側面でチャットボット導入効果を獲得することを意識すると、それまで効率を重視してベテランの持つ属人的なノウハウに頼りがちだったサポート業務を、他のメンバーでシェアすることが可能になります。

サポート担当組織の属人性を下げることができると、新担当者のサポート業務投入準備期間や投入後の慣熟期間の短縮効果も見込まれますし、担当者の稼働日の調整やローテーションなどもやりやすくなります。運用組織はチーム運営の柔軟性が高まり、担当社員の業務へのエンゲージメント向上も期待されます。

チャットボット導入時に意識したいこと

市場には安価かつ簡単に始められるチャットボットツールも存在していますが、導入の敷居が下がる分、よくある質問と回答や語彙の整理、会話シナリオを「やっつけ」で作ってボットを稼働させてしまいがちです。

チャットボット導入時に「属人化」の防止も意識してデータの整理や会話シナリオ作成に時間をかけて取り組むと、導入後には回答業務の効率化や機会損失防止といった側面に留まらない副次効果を享受することが期待できます。そのためには、チャットボットの導入検討時には、ボット導入の専門家の支援利用をお奨めします。

プロフィール

TM
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ボットフィッター。エンジニアではなくフロントからバックオフィスまでの幅広いビジネス経験を活かした各種ボットの企画提案から導入運用までサポート。ECサイトにおける接客ボット、社内人材情報解析照会ボット(人探しボット)、問い合わせ自動応答ボットなど。